日本代表の敗因は何だったのか。3バック選択と慢心、遅攻に相応しい1トップがいなかった

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by JMPA

 町野と上田は、大迫勇也を外し、あえて選んだ選手である。監督の選択ミス以外の何ものでもない。サッカーはチームで1番うまい選手が1トップを務めるのがスジ、常識だ。10番ではなく9番だ。ところが日本では10番至上主義が延々と蔓延してきた。例外は10番タイプの本田圭佑を9番(1トップ)として出場させた2010年南アフリカW杯と、大迫を1トップに据えて臨んだ2018年ロシアW杯になる。

 結果はいずれもベスト16。サッカーのあるべき姿を再確認することになった。その教訓が今回はまったく活かされていない。前田、浅野、上田、町野。この顔ぶれで目標はベスト8以上だと言われても、素直に頷くことはできない。大迫がいれば......。鎌田大地、遠藤航、守田英正といった中心選手が揃って冴えのないプレーに終始する誤算もあったが、1トップに、遅攻に相応しい選手を置くことができない弱みを抱えていたことが、それ以上の敗因だと見る。

 スペイン戦。1トップは、チームで一番うまい鎌田でいくべきだと考える。

【著者プロフィール】杉山茂樹(すぎやま・しげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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【profile】
中村憲剛(なかむら・けんご)
1980年10月31日生まれ、東京都小平市出身。久留米高校から中央大学に進学し、2003年にテスト生として参加していた川崎フロンターレに加入。2020年に現役を引退するまで移籍することなく18年間チームひと筋でプレーし、川崎に3度のJ1優勝(2017年、2018年、2020年)をもたらすなど黄金時代を築く。2016年にはJリーグMVPを受賞。日本代表・通算68試合6得点。ポジション=MF。身長175cm、体重65kg。

佐藤寿人(さとう・ひさと)
1982年3月12日生まれ、埼玉県春日部市出身。兄・勇人とそろってジェフユナイテッド市原(現・千葉)ジュニアユースに入団し、ユースを経て2000年にトップ昇格。その後、セレッソ大阪→ベガルタ仙台でプレーし、2005年から12年間サンフレッチェ広島に在籍。2012年にはJリーグMVPに輝く。2017年に名古屋グランパス、2019年に古巣のジェフ千葉に移籍し、2020年に現役を引退。Jリーグ通算220得点は歴代1位。日本代表・通算31試合4得点。ポジション=FW。身長170cm、体重71kg。

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