中村憲剛が日本代表「フロンターレ組」を語る。谷口彰悟は国内ナンバーワンDF、山根視来は意外性に期待 (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by JFA/AFLO

 特に今季の序盤戦は中国(1月27日@埼玉)、サウジアラビア(2月1日@埼玉)との大事な2連戦にスタメン出場し、勝利に貢献するパフォーマンスを見せたこと、そしてその後のJリーグでのプレーを見た時に、別格になってきたなと。国内ではすでに、名前と顔で守れるくらいのレベルにまで来ていると思います」

── 現役時代に憲剛さんがアドバイスすることもあったのですか。

「彰悟には、入ってきた時から『怖さ』という点で物足りなさを感じていたんです。だから、相手に嫌がられる存在になってほしいということを、彼にはことあるごとに言ってきました。それが、僕が引退する数年前くらいからキャプテンを任され、チームの勝敗を背負ったことで、ググっと伸びていきましたね。

 ただ、代表では悔しい想いをする時のほうが多かったと思います。ベンチ外の時もありましたし。それでも、キレずにチームのために振る舞うことで、周囲の信頼を勝ち取りました。

 今回もピッチ外の雰囲気を作るベテランメンバーのひとりとしての役割も託されていると思います。E-1でキャプテンを任されたことも、日頃の振る舞いが評価されたんじゃないでしょうか」

── 31歳にして初のワールドカップ出場は、憲剛さんの29歳を上回りますね。

「たいしたものですね。だから、今回の彰悟のメンバー入りには多くのメッセージが込められていると思うんです。国内で磨き続けていてもワールドカップに行ける可能性があるということ。

 もちろん、ビルドアップの部分やディフェンス力も含め、シンプルに選手としてのパフォーマンスが評価されて入っているのは間違いないですけど、彰悟の場合はそれ以外のパーソナリティのところも大きいなと。だから、個人的にもかなりうれしいですね」

── 付き合いは長いですからね。

「ルーキーの時から見ていますから。歳を重ねるなかで不安定な時もあったし、危うい時も見てきましたけど、その都度、いろんな話をしてきました。

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