ハリルホジッチが日本代表へドイツ戦のアドバイス。カタールW杯での優勝候補や注目選手も語った (3ページ目)

  • ズドラフコ・レイチ●文 text by Zdravko Reic
  • 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

サプライズがいっぱいのW杯になる

――日本に何かアドバイスをするとしたら?

「こういう大会はいつでも初戦が肝心だ。今回の日本の場合はドイツ戦がそれだ。私は2014年のブラジルW杯で、アルジェリアを率いてラウンド16でドイツと戦ったが、ドイツにはひとつのクセがある。エンジンがかかるのが遅い。時間がたつごとにパフォーマンスがよくなってくるから、彼らの調子が上がる前にガツンとやるのだ。ブラジルでも我々は90分までは互角だったが、延長に入ってから敗れたのだ」

――今回のカタール大会は初の冬開催、初の中東でのW杯です。どんな大会になると思いますか?

「たぶんサプライズがいっぱいのW杯になると思う。本番までのアプローチ方法が今までの大会とはまるで違う。準備期間は非常に短くなるから、各国の監督たちは、フィジカルの疲れを取り、精神的に集中させるだけで手いっぱいだと思う。しかし同時に、ヨーロッパの強豪クラブでプレーしている選手たちは、長いシーズン終了後にある夏の大会よりは疲れていないはずだ。それがどんな影響を及ぼすか、それを理解することがとても大事だと思う。私はモロッコがクロアチア、ベルギー、カナダと同グループと知って、まずその点に焦点を向けた練習を始めていた。初出場のモロッコが優勝候補の一角クロアチアを驚かすことも可能だと信じていたよ」

――いわゆる強豪国はどんな戦いをすると思いますか?

「W杯の優勝候補は常にこれまで勝利してきたチームのどれかだ。数カ月前だったら、私は自信をもってフランスだと答えていただろう。1958年と1962年にブラジルが2連覇した以外に、連続優勝したチームはないが、フランスが連覇する確信していた。

 しかし、ディエディエ・デシャン監督はここにきて3人の主力を欠くことになった。GKマイク・メニャン、そしてキープレーヤーのポール・ポグバとエンゴロ・カンテ。これはフランスにとっては大きな痛手だ。ただ、それでもフランスは世界王者の称号を守る可能性はあるのではないかとは思っている。『優勝に一番近いのは?』と聞かれたら、私はフランスと答える。カリム・ベンゼマとキリアン・エムバペからなる攻撃陣はそれだけの力を持っているだろう。

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