ハリルホジッチが日本代表へドイツ戦のアドバイス。カタールW杯での優勝候補や注目選手も語った (2ページ目)

  • ズドラフコ・レイチ●文 text by Zdravko Reic
  • 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

「私の時代の選手がまだいるんだね」

――チームはあなたが率いていた頃とかなり変わっていますか?

「変わっていないほうがおかしい。私が日本代表を率いていたのは2015年からだ。私はハードに仕事をし、問題なくロシアW杯予選を勝ち抜いた。私は多くのクラブ、多くの代表を率いた経験があるが、日本ほど満足のいく仕事ができたところはない。

 最初は簡単ではなかった、まず私は日本の生活に慣れる必要があったし、選手たちも私のスタイルを知る必要があった。まだ最終予選の初めの頃、埼玉スタジアムでUAEに1-2で敗れた時の私を見る彼らの目、不満に満ちた目は今でも忘れられない。私だってもちろん不満だった。しかしその後は無敗でW杯出場権を得た」

――その後は?

「私の解任後は技術委員長をしていた西野朗氏が代表を引き継ぐことになった。彼はいつも私のそばにいて、私の練習方法や、その他のやり方をつぶさに見てきた人だ。彼は私の仕事を気に入ってくれ、一度として『コミュニケーションに問題がある』などと言ってきたりはしなかった。だからといって、彼が本当のところどう思っていたかまではわからないが。

 モロッコでも、W杯の切符を手に入れながら、私は一番の右腕に背を向けられた。でも西野氏は私によくついてきてくれ、どんな小さなアドバイスにも耳を傾け、受け入れてくれた。私たちはとてもいいコンビだったと思う。だからこそこんな形で袂を分かつことになってしまったのは残念だ。一緒だったら、ロシアで最高の成績を出すことができだろう。

 ところで今、カタールでプレーする日本代表のメンバーを見たのだが、私の時代の選手がまだいるんだね。川島永嗣、長友佑都、吉田麻也......」

――日本はスペインとドイツというふたつの強豪と同グループになってしまいました。日本がグループリーグを突破するにはどんな戦い方をしたらよいでしょう?

「私は日本のクラブチームのプレースタイルが好きだった。アグレッシブで、ハードで、決してあきらめない。一方、イニシアチブをとろうという積極性の欠如と、中盤に創造性がないのが気になった。まずはそこの点をよく考えるべきだ。それでも日本が決勝トーナメントに行くにはかなり難しいとは思うが......」

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