エクアドル戦で思い出した16年前の凶兆。余りにも不可解、なぜ森保監督は旗手怜央に出番を与えなかったのか (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 高須力●撮影 photo by Takasu Tsutomu

――ヨーロッパへ行ったことで自信は大きくなった?

「ヨーロッパへ行ったっていうのも大きいですけど、(今の自信は)一歩ずつの積み重ねだと思うんで。それがすべて、ヨーロッパでできるところまでつながっていると思うので、一歩ずつやってきた成果が今につながっているのかなと思います」

 所属クラブで活躍し、個を伸ばすことが日本代表の強化につながると期待され、選手はそれぞれ日常の舞台で奮闘している。なかでも旗手は、その日常で最も大きな成果を手にしたひとりだと言っていい。

 にもかかわらず、それが見過ごされてしまうのでは、あまりにももったいない。ヨーロッパでの成果を改めて示すような活躍を見せた鎌田大地を除けば、結局は従来の序列に沿った選手起用が行なわれた感は強くなる。

 先発メンバーを総入れ替えしたエクアドル戦。森保一監督は試合後、「誰を起用してもチームとしてプレーできる。本大会に向けて大きな財産となる戦いができた」と選手のパフォーマンスを称えた。結果についても、「公式戦ならしっかり勝ち点1を拾えたいい戦い」と話している。

 だが、現実のワールドカップに照らせば、日本が決勝トーナメントに進むためには、エクアドルは勝たなければいけないクラスの相手だ。

 その相手に対し、悪い形でのボールロストを連発し、ピンチの連続。対戦相手のレベルが違うとはいえ、前の試合でせっかく勢いが生まれかけていたにもかかわらず、それを確かなものにするどころか、水を差す結果となった印象は否めない。

 これが16年前と同じ、ワールドカップ本番の凶兆でないことを祈るばかりである。

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