エクアドル戦で思い出した16年前の凶兆。余りにも不可解、なぜ森保監督は旗手怜央に出番を与えなかったのか

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 高須力●撮影 photo by Takasu Tsutomu

 目の前の冴えない試合を見ながら思い出したのは、奇しくも同じドイツ・デュッセルドルフで行なわれた、16年前の試合だ。

 2006年ワールドカップ・ドイツ大会を目前に控えた日本代表は、最後の仕上げとしてドイツでふたつの親善試合を行なった。

 まずはレバークーゼンで、開催国のドイツと対戦。結果は2-2の引き分けだったが、ヨーロッパの強豪を土俵際まで追い詰めた一戦は、内容的に見ても本大会に大きな期待を抱かせるものだった。

 ところが2戦目、デュッセルドルフでマルタと対戦した日本は、1-0で勝利こそ手にしたものの、低調な内容に終始。本大会前最後の試合で、せっかくのいい流れに水を差す結果となったのである。

 その後のワールドカップ本大会での結果は、ご存じのとおり。2敗1分けでのグループリーグ敗退に終わっている。

 翻(ひるがえ)って、現在の日本代表である。

 11月開幕のワールドカップ本大会を前に、日本はふたつの親善試合を行なった。

 まずはアメリカと対戦し、2-0で勝利。そして4日後、エクアドルと対戦したわけだが、アメリカ戦から一転、攻守ともに見せ場は少なく、劣勢の時間が長く続いた末のスコアレスドローに終わった。

 2試合の流れは、16年前とよく似ている。

 ただし、当時と違うのは、試合が行なわれたタイミング。16年前が本大会直前の最終調整段階にあったのに対し、今回は本大会2カ月前の、まだまださまざまなテストを行なうべき段階にあったということだ。

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