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金田喜稔×木村和司対談「トルシエのことは好かんかったけど、言っていることは正しかった」 (3ページ目)

  • 小室功●取材・構成 text by Komuro Isao

木村「海外に行ってプレーしている日本人選手がかなり増えたよな。そこが一番大きいんじゃないか。海外に行くだけじゃなく、チームの中心というか、そのくらいの存在になっている。それは、本当にすごいことだと思う。

 2002年の日本代表監督だった(フィリップ・)トルシエがよく『海外に行け、海外に行け』って言っとってな。トルシエのことはあまり好かんかったけど、言っていることは正しかったと思うわ。今や海外に行った選手たちが、そこでの経験を(日本代表や日本サッカーに)よう還元してくれておる」

金田「1970年代の後半だったと思うけど、1.FCケルン(ドイツ)の練習に参加させてもらったことがある。そこには1974年の地元開催のワールドカップで優勝した西ドイツの代表メンバーもいて、最初は『どうやろ』『やれるかな』と思ったけど、プレーしていくうちに『慣れたら、そこそこやれるわ』と。そう体感できたことが大きかったな」

木村「若い時にヨーロッパに行っていたら、ワシも同じことを感じたと思うよ。レベルの高い連中のなかで一緒にプレーすることで、刺激されて、自然にプレーの質が変わっていくから」

金田「今の日本の選手たちは海外のクラブに行って、ちょっと練習に参加させてもらっているというわけじゃなく、それこそ毎日、各国の代表レベルとやり合っている。そこでの経験値は本当に大きいし、しかもレギュラーをつかんでいる選手が多い。

 こういう実績を見れば、昔と今では日本のレベルが違ってきているのも当然。どんな相手に対しても怖気づかずにできる。正直、『すげぇな』と思うよ」

今や日本代表の大半が海外でプレー。レジェンドふたりは「それが日本サッカーの進歩の証」と口をそろえる。photo by Sueishi Naoyoshi今や日本代表の大半が海外でプレー。レジェンドふたりは「それが日本サッカーの進歩の証」と口をそろえる。photo by Sueishi Naoyoshiこの記事に関連する写真を見る

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