加藤聖は「A代表に選ばれながらパリ五輪へ行く」。世代屈指の左サイドバックは「一級品の左足」で未来を切り開く

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by AFLO

サッカー日本代表「パリ世代」インタビュー02
加藤聖(V・ファーレン長崎/DF)後編

 V・ファーレン長崎で成長を続ける加藤聖は、その一方で、パリオリンピックを目指すU−21日本代表でも貴重な働きを見せている。

 世代屈指の左サイドバック。現時点での活躍は、そう評するに値するものだろう。

 加藤が初めて年代別日本代表に選ばれたのは2019年8月、高校3年時のU−18代表でのこと。JFAアカデミー福島時代のチームメイトであり、現在はともにU−21代表で戦う三戸舜介(アルビレックス新潟)曰く、「左足は一級品。(練習していて)左足でボールを持たれると怖かった」という高精度のキックを武器に、その後はすっかり年代別代表の常連となった。

 3月に行なわれたドバイカップでは、全3試合に出場して優勝に貢献。競争が激しいU−21代表にあっても、その存在はもはや欠かすことのできないものとなっている。

◆加藤聖@前編はこちら>>JFAアカデミー卒、J2クラブから日本代表入りした異色なキャリア

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加藤聖(V・ファーレン長崎)2001年9月16日生まれ加藤聖(V・ファーレン長崎)2001年9月16日生まれこの記事に関連する写真を見る---- U−18代表で初めて年代別日本代表に選ばれた時の気持ちは?

「うれしい気持ちしかなかったです。あとは、ワクワクですね(笑)。最初はちょっと緊張していたんですけど、同年代の選手ばかりなので気が合うし、気軽に楽しく話せる。コミュニケーションもとりやすいので、今は楽しいです」

---- まだ自分が選ばれていなかった頃、同年代の代表チームをどんな気持ちで見ていましたか。

「正直、自分が選ばれるまで、代表に入れると思ったことはなかったです。毎回メンバーが発表される時も、『選ばれている選手はすごいな』と思って見ていただけなので、今は自分がそこでできているのが、なんか......はい......うれしいです(笑)」

---- 「絶対に俺も入ってやる」とは思っていなかった?

「チーム(JFAアカデミー福島U−15、U−18)でも、絶対的な選手ではなかったですから。高校生になっても、3年になるまではスタメンかサブか、その瀬戸際ぐらいでしたし。そんな状況だと、まず代表(に選ばれること)はないかな、と。その頃は全然考えていなかったです」

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