JFAアカデミー卒、J2クラブから日本代表入り。加藤聖20歳が徐々に才能を開花させた異色なキャリア
サッカー日本代表「パリ世代」インタビュー02
加藤聖(V・ファーレン長崎/DF)前編
20歳前後の若い選手のなかには、J1の舞台で華々しいデビューを飾る選手もいれば、J2からプロのキャリアをスタートさせ、徐々に才能を開花させていく選手もいる。
今年9月に21歳となる加藤聖は、後者を代表するひとりだろう。
2020年にJFAアカデミー福島U−18からV・ファーレン長崎入りした加藤は、プロ1年目こそ公式戦出場なしに終わったが、2年目の昨季、J2で21試合出場2ゴールを記録。着実な成長をうかがわせる3年目の今季は、精度の高い左足のキックを武器に左サイドバックとして主力を担い、大きな飛躍を遂げようとしている。
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加藤聖(V・ファーレン長崎)2001年9月16日生まれこの記事に関連する写真を見る---- 加藤選手のプロフィールを見ると、過去の所属クラブの最初に『ヴィッセル神戸U−12』とあります。もともとは神戸出身なのですか。
「そうです。小学生の時に本格的にサッカーを始めて、どこかのクラブに入りたいなと思って、セレクションを受けて入りました。でも、練習場まで電車で片道1時間以上かかって、移動が結構きつかったんです。それだったら、小学生の時は家の近くのチームでやって、中学生になったら県外で寮のあるところでサッカーをしようと思い、5年生の時に近くの少年団(鹿の子台FC)に入り直しました」
---- 小学生の時から「中学に入ったら県外でプレーしよう」と考えていたのですか。
「はい。環境がいいところでサッカーしたいな、と思っていました」
---- だとしても、関西圏にはJクラブも、強豪と呼ばれる高校もあります。なぜJFAアカデミー福島を選んだのですか。
「中学進学を前に親がいろいろ調べてくれて、JFAアカデミー福島は日本サッカー協会の下、日本サッカーのプレーモデルというか、そういうものに基づいてサッカーができると知りました。寮があって、練習場も近くて、サッカーに一番没頭できる。そういう環境があると聞いて、すぐにセレクションを受けたいっていう気持ちになりました」
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