藤田譲瑠チマ20歳はパリ五輪経由で海外を目指す。スカウトの目に止まったのは、思わぬきっかけから

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by AFLO

「自分が一番成長できる環境はどこかと考えていた時に、F・マリノスからお話をいただきました。このチームは海外のチームに近いサッカーをしているというか、縦に速いサッカーをしていたので、自分が(パリ)オリンピックに出場して、その後、海外で活躍するというキャリアを描いた時に、すごくいい環境だと思いました」

---- これまでに所属した東京V、徳島、横浜FMは、志向するスタイルに共通するところがあります。それは移籍先を選択する際のポイントだったのですか。

「ボカボカ(ロングボールを)蹴って、セカンドボールを拾ってゴールに向かうというサッカーよりも、GKからどんどんパスをつないで相手を動かし、ゲームを支配して最終的に勝つチームのほうが楽しいなと思っているのも、もちろんチーム選びの要素のひとつにはあります。

 ただ、それ以上に今の自分の技術を考えた時、今までやってきたチームのようなサッカーのほうが自分の将来のためにもなるなと考え、チーム選びをしてきました」

---- 技術に自信があるから、このスタイルが向いているというより、むしろ技術が足りないから、そこを磨くためにこういうチームでプレーしたい、と。

「はい。そっちのほうが大きいと思います」

---- もともと、どんなきっかけで東京Vのアカデミーに入ったのですか。

「小学校の時はずっと町田ゼルビアのスクールに通っていたので、そのままゼルビアのジュニアユースに行くものだと思っていました。

 これは本当の話かどうかわからないですけど、小学校6年生の時に東京都トレセンに選ばれて、その後に全日本少年サッカー大会(現・全日本U−12サッカー選手権大会)の都大会に出た時、たまたま相手チームにいろんなクラブが注目している選手がいて、そのチームと試合をしている時にスカウトの人が自分を気にかけてくれたみたいです。それでヴェルディの練習会に参加させてもらったのがきっかけです」

---- 思わぬきっかけとはいえ、東京Vで中高時代を過ごせたことはよかったですか。

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