藤田譲瑠チマ20歳はパリ五輪経由で海外を目指す。スカウトの目に止まったのは、思わぬきっかけから (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by AFLO

「まぐれで入ったみたいなゴールというと、たぶん自分がJリーグで初めて決めた(2020年J2第30節アルビレックス)新潟戦のゴールくらい。ちょうど自分の目の前にボールがこぼれてきて、チョンと触ってゴールしました。

 あとは(2020年J2第38節ジェフ)千葉戦でも自分でボールを取ってから、そのまま空いているスペースへ走って決めたり、(2021年J1第36節)FC東京戦も狙って奪って、みんなで崩した感じだったので、狙いどおりというか練習でやっている形がそのまま出たなという実感はあります。

 そういうシーンを増やせばもっとゴールが生まれるというのは、たしかに言われてみればそのとおりかもしれない......と、今すごく思いました」

---- なるほど。

「ただ、F・マリノスに来て、そういうシーンをなかなか作れていないのは、F・マリノスの攻撃が速くて、自分がまだ追いつけていないっていうのが、今は大きい点だと思います」

---- 今後、自分が成長していくための課題は?

「ゴールに絡むシーンは、もっと増やしていく必要があると思います。自分がゴールを取るのも大事ですし、アシストだったり、アシストのひとつ前の決定的なパスは、もっと増やしていく必要があります。あとは、ルーズボールのところだったり、こぼれ球のところでの相手との競り合いでもっと強さを出して、ボールを取りきらないといけないとも思っています」

---- そのために必要なことは?

「予測と準備がすごく大事かなと思っています。攻撃で言えば、味方がどこに走るのか、というのも予測ですし、どこにボールが来るのか、そのためにどこで待っているのか、というのも予測であり、準備の部分にも入ってきます。

 ポジション的な優位を取れれば、相手に負けるシーンというのはそうそうないと思うので、常に予測と準備をすることがすごく大事なのかなと思います」

(後編につづく>>藤田譲瑠チマ「海外でやっている選手はこんなに要求するの?」)

【profile】
藤田譲瑠チマ(ふじた・じょえるチマ)
2002年2月16日生まれ、東京都町田市出身。ナイジェリア人の父と日本人の母との間に生まれ、小学生時代は町田大蔵FCでプレー。東京ヴェルディの下部組織で能力を伸ばし、2019年9月にトップチームデビューを果たす。2021年に徳島ヴォルティスへの完全移籍を経て、2022年より横浜F・マリノスに所属。2019年U−17ワールドカップ日本代表メンバー。ポジション=MF。身長174cm、体重74kg。

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