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岡野雅行が語るJリーグベストイレブン、ジョホールバルの歓喜...すべての栄光につながっているゴール (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Jun Tsukida/AFLO SPORT

 点をとることの快感に目覚めながら、自身の記録にはさほど頓着せず、GKによるゴールというJリーグ史上初の珍記録をアシストする。それもまた、岡野らしさなのかもしれない。

「それくらい、自分のなかに余裕がありましたよね。『ふざけんな、オレに蹴らせろ』みたいな気持ちはまったくありませんでした。サポーターの人が喜んでくれるのが一番いいなって思っていたし、それは試合に出ていた選手みんなが感じていたことだと思います」

 さも当然のようにそう語る岡野は、自身のキャリアにおいて燦然と輝く記念すべきシーズンをこんな言葉で表現する。

「自分のプレーにすごく納得できていたと思います。体も無理が利いたというか、言うことを聞いてくれましたしね。すごく楽しかったのは、今でも覚えています」

 それもこれも、すべてのきっかけは、ウルグアイ戦でのゴールである。

 岡野が国際Aマッチで決めたゴールは、わずかに2点。だが、岡野にとっては、"あの"ゴールも、"じゃないほう"のゴールも、いずれもが思い出深く、価値のあるゴールだ。

「日本代表で何十点もとっている人もいますが、僕にとっては、この2点がものすごく大きな意味を持っています。

 日本代表に選んでいただいて、ありがとうございます。あそこで、試合に出してもらってありがとうございます。今でもそう思えるくらい、重みのある2点だったと思っています」

(おわり)

岡野雅行(おかの・まさゆき)
1972年7月25日生まれ。神奈川県出身。1994年に日大を中退して浦和レッズ入り。1年目から35試合に出場。以降「野人」のニックネームで名を馳せ、主力選手として活躍する。1995年には日本代表にも招集され、1997年には"ジョホールバルの歓喜"として知られるW杯アジア第3代表決定戦で劇的なVゴールをゲット。日本を初のW杯出場に導いた。その後、ヴィッセル神戸、香港のTSWペガサス、ガイナーレ鳥取でもプレー。2013年シーズンを最後に現役引退。引退と同時にガイナーレのGMに就任した。2017年には同代表取締役GMとなり、現在はクラブ強化に尽力している。国際Aマッチ出場25試合2得点

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