パリ五輪の秘密兵器となるか。海外で14試合16ゴールを量産した18歳の日本人ストライカー (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

――少し話は遡(さかのぼ)りますが、そもそも大分県佐伯市出身の二田選手が、なぜ鳥栖U-18に入ったのですか。

「中学を卒業する時に選択肢はいろいろあったのですが、いくつか練習参加に行ってみて、鳥栖の練習が一番強度が高くて環境もよかった。自分は高校選手権に出ることよりもプロになりたいと思っていたので、それを考えたら、ここが一番プロに近づく道なのかな、と思って選びました」

――その頃から、いずれは海外でプレーしたいと思っていたのですか。

「鳥栖に入った時は、プロになりたいということだけでした。自分はホント、高1、高2の時は下手で、何もできなくてヒドかったんで(苦笑)。ホントにプロになれるのかなっていうぐらいで、海外とかそんなことを考えている場合じゃなかったです」

――鳥栖のアカデミーはU-15も全国優勝していますし、レベルが高いですよね。

「鳥栖のユース(U-18)は、ジュニアユース(U-15)から上がってきた人が本当にうまくて。自分はスピードとシュートっていう武器がありましたけど、それ以外のことは何もできなかった。他の技術を上げないと、シュートまでも持っていけないし、結構苦労しました。

(松岡)大起くんとか、(本田)風智くんとか、上にすごい先輩たちがいたんで、わからないことは何でも聞いて、少しずつ自分の課題を克服していったって感じです」

――同級生にも、昨年U-24日本代表に飛び級で抜擢された中野伸哉選手がいます。

「伸哉がU-17ワールドカップに出場しているのとかを見ていて、うらやましいなっていうか、すごいなっていうか。でも、やっぱり自分も入りたいっていうのがありました。だから、ホント悔しかったですね。それが頑張ろうっていうモチベーションにもなりましたし、盗めるものもありましたし、今もいい刺激になっています」

――二田選手自身も高校3年生になった昨年5月には、U-18日本代表候補にも選ばれました。

「自分も高3になって変わることができたと思います。代表は自分よりうまい人ばかりでしたけど、一度経験して周りがどういうプレーをするのかを感じられましたし、ひとつの自信にはなりました。

 もちろん、天狗になってはいけないですけど、代表に入ってみたいっていう憧れはありましたし、自分も代表に入るまでになれたんだなって......、ちょっとその、うれしかったっていうか......、その気持ちはありました。オーストリアへ行ってからも、(U-18代表キャンプの動向などは)チェックしています。めちゃめちゃ気になりますね」

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