丸山桂里奈が感じていた女子サッカー界の違和感と危機感。なでしこ優勝後も「そんなに変化はなかった」 (4ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

「あとは、副音声をやりたい! この前、前園(真聖)さんと元サッカー選手同士で副音声をやったんですけど、すごく楽しかったんです。でも全然サッカーの話をしなかったんだけど(笑)。本解説は無理だけど、副音声専門ってダメですかね?」

 副音声でなくても、きっと"丸山桂里奈"のカラーが生きる現場はありそうだ。何といってもWEリーグは多様性を謳うプロ集団だ。OGも含めて、女子サッカー界全体で作り上げていくことが一番だ。

「この前もテレビで紹介VTRが流れた時、ドイツ戦のゴールシーンだったんです。私のことは誰だかわからないチビッ子でも、あの映像は記憶に残るじゃないですか。いやホント、あのゴール決めといてよかったって思います(笑)」

 こうして当時のなでしこの話を聞くと、まったく別の道を歩んでいるように見えて、志がどこかでつながっていたりする。それぞれの分野で培ったものを携えて再びワールドカップ優勝時のメンバーが集まったなら、できないことなどなさそうだ。

 やはりとてつもない偉業を成し遂げたのだと、10年経った今、改めて思う。次に会う時、丸山はさらにパワーアップしているはずだ。どんなアイデアで女子サッカーに刺激を与えてくれるのかまた一つ楽しみが加わった。

profile
丸山桂里奈(まるやま・かりな)
1983年3月26日生まれ。東京都出身。
小学生の頃からサッカーを始め、大学時代の2002年、日本代表に初選出された。ワールドカップにはアメリカとドイツの2大会、オリンピックにはアテネ、北京、ロンドンの3大会、出場している。2016年に引退後は、独特な言い回しの発言が注目を集めてタレントとして活躍中。最近はYouTubeのチャンネルも開設した。

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