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南野拓実はトップ下よりサイド? 俊輔や香川も経験した「10番の苦悩」 (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 また、南野が中に入ることで、背後に控える長友佑都(マルセイユ)の攻撃参加の機会も増加。そこからゴールも生まれたように、このシステムはある程度機能したように感じられた。

 ただし、やはりというべきか、ファーストポジションがサイドであれば、当然ゴールから遠ざかることとなる。

 先制点を奪ったものの、その後、大迫がゴールを重ねていくのとは対照的に、南野はそこからしばらくシュートを打てなかった。前半終了間際に半ば強引にシュートを放ったプレーから、10番の焦りを感じずにはいられなかった。

 そうした南野の心情を察知したのか、森保監督は62分にボランチの守田英正(サンタクララ)に代えて、ウインガーの原口元気(ハノーファー)を投入。ボランチを1枚削り、原口を左に入れ、南野は鎌田とともにインサイドハーフ(シャドー)の位置に回った。

 その直後、中央の位置で大迫のスルーパスを受けた南野の2点目が生まれることになる。相手が引きこもったことも影響しただろうが、ポジションを変えた南野はボールに関わる頻度が増え、得点の匂いも強く感じさせるようになっていた。

「前半の形だと、僕もサイドに張ってプレーすることもあるし、あえて広がりを持たせるやり方になる。シャドーの場合は、流動的に動きながらもっとFWの近くでプレーできるし、ボランチと同じラインまで落ちてボールを受けて運ぶというプレーもできる。今日の相手ではわからない部分もあるけど、どうやったらもっとお互いを生かしていけるかを、練習から考えながらプレーしていきたい」

 どちらがいいという言及ではなかったが、ポジションによって当然、求められる仕事が変わってくる。それにより自身の持ち味が生きるか否かも変わってくることは確かだろう。

 過去にも日本代表の10番には、ポジション問題がつきまとった。中村俊輔や香川真司も、ともにトップ下でのプレーを望みながらサイドに押しやられ、持ち味を発揮できないことがクローズアップされている。

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