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攻め柱は大迫、守り柱は吉田。サムライブルーを引っ張るふたりの剣士 (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

「得点を取れればよかったですけど......」。試合後、大迫は自身がノーゴールに終わったことを悔しがったが、「試合に勝てたことは素直にうれしい。すぐに試合があるので切り替えないといけないですけど、楽しかったです。楽しい試合でした」と、満足げなコメントを残している。

 今季、所属クラブでは不遇をかこっている。リーグ戦では17試合の出場にとどまり、いまだ無得点。本職のセンターフォワードではなく、インサイドハーフとして起用されるなど、本来の力を発揮できる状況にはない。だから、最前線に立ったこの試合を「楽しかった」と振り返るのだろう。

「個人としては久しぶりに1トップでできたので、何も考えずにできたというか、自分のプレーが出せた」

 持ち味を十全に発揮したストライカーが、この日韓戦であらためて日本の大黒柱であることを証明した。

 攻めの柱が大迫なら、守りの柱は吉田麻也(サンプドリア)である。

 試合前から日韓戦への並々ならぬ決意を口にしていたキャプテンは、その想いを表現するかの如く、魂のプレーで完封勝利に貢献している。

 地上戦、空中戦ともに相手を寄せつけず、落ち着き払ったビルドアップで起点となり、ラインも巧みに操った。経験の少ない味方には的確な声がけで鼓舞するなど、まさに闘将のごとく振る舞った。

 10年前の一戦にも出場していた吉田だが、翌年のロンドン五輪では3位決定戦で敗れ、メダルを逃した悔しい過去がある。年長者として日韓戦の重みを一番理解しているのも、この吉田だろう。だからこそ普段以上に重圧を感じ、試合後には安堵の表情を浮かべた。

「ほっとしています。試合が終わって、こんなにほっとするのも久しぶり。代表戦は普段とは違うプレッシャーもあるし、キャプテンマークを巻く重圧もある。それに加えて今回は日韓戦。見えないプレッシャーはいつも以上に大きかった」

 経験豊富な吉田の存在には、代表初招集の選手たちも勇気づけられたという。先制ゴールを決めた山根もそのひとり。

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