森保ジャパンに改善案はないのか。ビルドアップ、左SBと課題に進展がない (2ページ目)
試合は立ち上がりこそ日本の勢いが勝ったが、次第にペースはパナマに移っていく。その最大の要因は、パナマが見せた日本のビルドアップ時のプレス方法にあった。
パナマの基本システムは、4-2-3-1。日本の最終ラインがボールを保持した時、1トップの9番(ガブリエル・トーレス)がパスコースを限定しながらボールホルダーにプレッシャーをかけると、長友へのパスコースは右ウイングの10番(エドガル・バルセナス)が、室屋へのパスコースは左ウイングの19番(セサル・ヤニス)がそれぞれ塞ぐ。
同時に、橋本に対してはトップ下の8番(アダルベルト・カラスキージャ)が、さらに柴崎にはボランチの5番(アブディエル・アヤルサ)がそれぞれマーク。基本はこのスタイルで日本の後方からのビルドアップを防ぎにかかった。
ちなみに、この時のパナマの布陣は4-1-4-1。センターバック(CB)のふたりとアンカーポジションをとる6番(ビクトル・グリフィス)が南野を包囲しつつ、高い位置をとる両サイドバックが日本の2シャドーを監視するかたちだ。
ファーストディフェンダーとなる9番と、日本のダブルボランチをマークする8番と5番の動きが生命線で、とくに攻守の切り替えのたびに広範囲に動く必要がある5番の役割が重要になった。
日本のダブルボランチが相手の守備対応によって消されるパターンは、10月の親善試合も含めてこれまで何度も起こった現象だ。それだけに、森保監督にとってもこれは想定内だったはずだが、残念ながらこの試合でも明確な回避方法を提示できないまま、試合を終えることになった。
実際、前半は7分に植田のロングフィードから南野がチャンスを迎えたあとは、日本が流れのなかからフィニッシュにつながるシーンをつくった回数はゼロ。唯一、前半31分に三好が迎えたシュートシーンも、オフサイドに終わっている。
逆にペースを握ったパナマは、26分には日本陣内での見事なパス回しから、最後は9番が強烈なシュート。前半アディショナルタイムにシュートにつなげた2つのセットプレーを含め、決定力以外は、ほぼ隙のないパフォーマンスを見せた。
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