森保ジャパンに改善案はないのか。ビルドアップ、左SBと課題に進展がない (5ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 日本サッカー協会●写真 photo by JFA

 その一方で、多くのチャンスを構築した後半も、日本のクロスボールは5本(右3本、左2本)にとどまったが、この現象は、パナマが10人になっても引いて守らなかったことと、72分からスピードスターの浅野拓磨が1トップに入ったことが大きく影響したと見ていいだろう。

「前半は、とくに相手が体力面、フィジカル面も含め、僕たちのサッカーに対応できていた。後半は相手も(体力的に)落ちて、日本のほうがコンディションもよく、うまく行き始めたと感じます。もちろんピッチ状態だったり、メンバーが変わったり、フォーメーションが変わったりしたので、前半はみんなが迷いながら、意識がつながっていない状態でプレーしていた感じがしました」

 試合翌日、左ウイングバックを務めた長友はこの試合をそう振り返ったが、そのコメントと実際にピッチで起こっていた現象を重ねると、やはり後半から試合の流れが日本に大きく傾いた原因の多くは、日本よりもパナマ側にあったととらえるべきだろう。

 つまり、森保監督が約1年半ぶりに試合開始から採用した3バックシステムは、まだ多くの課題を残したままといえる。W杯アジア最終予選ではパナマ以上の実力者と戦わなければならないことを考えても、修正ポイントは山積みだ。

 果たして、森保監督は17日(日本時間18日早朝)の強豪メキシコ戦でどちらのシステムを使うのか。そして、今度こそダブルボランチを消された時の対応策を提示できるのか。左SB駒不足問題の解決策も含めて、注目すべきポイントは多い。

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