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アメリカ最大の日刊紙「ロサンゼルス・タイムズ」が伝えた大谷翔平の規格外のバッティング

  • text by Los Angeles Times

 前人未到の50−50(50本塁打、50盗塁)、ワールドチャンピオン、そして3度目のMVPを成し遂げた米大リーグ(MLB)・ドジャースの大谷翔平選手。

 エンゼルスへの移籍前から大谷の取材を重ねてきたアメリカ最大の日刊紙『Los Angeles Times(ロサンゼルス・タイムズ)』は、ドジャース移籍からまもない今春、デーブ・ロバーツ監督やチームメイトなどへの取材によって、新しいチームで早くも「規格外のすごさ」を発揮し、あまりの打球速度に同僚が身の危険すら覚えた大谷の姿を詳細にリポート。メジャーでも屈指の「打撃のすごさ」に迫った。

 地元紙ならではの肉薄した視点から、100点を超える写真と13万字以上の詳述で大谷の足跡を記した「L.A. TIMES」公式独占本『OHTANI'S JOURNEY 大谷翔平 世界一への全軌跡』(L.A. Times編/児島修訳、サンマーク出版刊)。12月24日の日本発売を前に、本書から今年前半の活躍の一部をお届けする。

今シーズン、前人未到の「50−50」を達成した大谷翔平 photo by WILFREDO LEE/AP通信今シーズン、前人未到の「50−50」を達成した大谷翔平 photo by WILFREDO LEE/AP通信この記事に関連する写真を見る

【ベッツが大谷の打席時にリードを変える理由】

(ジャック・ハリス 2024年5月18日)

 ムーキー・ベッツが大谷の打席の時だけわずかに離塁時のリードを変える、という話は象徴的だ。それは強打のチームメイトへの賞賛の表れであるとともに、塁上で自分を守る防衛策でもあるという。

 1番打者のベッツは、一塁への出塁時に大谷が打席に立つと、リードの取り方を少し変える。二塁に向けて何度かサイドステップを刻み、ピッチャーが投球すると同時に少しだけ後ろに下がる。

 大谷の打球の強さはわかっている。だから、ライナー性の当たりがまっすぐ飛んできたときに備えて、ボールに反応する時間を少し余計に取っておきたいのだ。

「あれが当たったら、僕はアウトだ」

 ベッツは半ば真顔で言った。

「僕の体重は175ポンド(約79.3キロ)。時速120マイル(約193キロ)のライナーには耐えられないよ」

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