アメリカ最大の日刊紙「ロサンゼルス・タイムズ」が伝えた大谷翔平の規格外のバッティング (2ページ目)
今季は打者に専念した大谷翔平だが、来季は再び二刀流が見られるのか注目だ photo by ROBERT GAUTHIER/ロサンゼルス・タイムズこの記事に関連する写真を見る 今季、大谷の打球速度は、実際には120マイルにまだ達していない。しかし、それに迫る数字は何度も記録している。
打者・大谷は、その最大の特徴ともいえるフルスイングで、MLBのほとんどの選手よりも強くボールを捉える。この爆発的かつ魅惑的なスイングは、フィジカルとメンタルの完璧な調和の産物だ。
データ検索サイトの『ベースボール・サヴァン』は、「強打(Hard Hit)」を時速95マイル(約152.9キロ)以上と定義するが、大谷の打球の62%近くは時速95マイルを上回っており、MLB最高の記録だ。しかも、時速105マイル(約169.0キロ)を超えた回数も47回と、2位の選手に5回の差をつけている。
自己最速の時速119.2マイル(約191.8キロ)をマークしたのは、先月のトロント・ブルージェイズ戦の単打だが、今季この速度を上回ったのはヤンキースに所属するフアン・ソト(現・メッツ)とジャンカルロ・スタントンのふたりだけだ。
「生まれながらの傑物だよ、本当にね」と、ロバーツは語る。
【野球界最高の身体能力】
大谷がこれほどまでに強くボールを打てるのには秘密がある。
これまで、打球速度はおもにバットスピードに左右されると言われてきた。基本的に、スイングが速いほど、ボールを強く捉えられる。また、長年の投球追跡データによって、打球速度が速いほど打撃成績がよくなることも明らかになっている。
ただし、バットスピードがすべてではない。たとえば、スタントンの平均バットスピードはMLB最速の時速80.6マイル(約129.7キロ)で、ベースボール・サヴァンに登録されている他の全打者より3マイル以上速いが、打率は.243にすぎない。バットスピードのベスト10に入る打者のうち、選手の総合成績を最もよく表すといわれるOPSでもベスト10にランクインしているのは、ヤンキースのアーロン・ジャッジだけだ。
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