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森保ジャパンに改善案はないのか。ビルドアップ、左SBと課題に進展がない (4ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 日本サッカー協会●写真 photo by JFA

パナマ戦前半の日本が不調だった理由。スペインの名伯楽が分析>>

 事実、長友から原口元気に交代した直後の58分、日本はノープレッシャーの植田からフリーの遠藤にパスがわたると、遠藤は素早く南野に縦パスを供給。南野がダイレクトで久保に預け、久保から左の原口に展開し、原口のクロスを室屋がシュートするというチャンスをつくっている。

 このシーンをパナマ側から見ると、本来植田にプレッシャーをかけるはずの9番が歩いてしまい、さらに遠藤をマークするはずの5番も足を止めていたため、ひとりで柴崎と遠藤を見なければいけなくなった8番のポジションが中途半端になっていた。こうなると、パナマが前半のような前からのプレスを機能させることはできない。

 その1分後、同じような自陣からのビルドアップで、植田、遠藤、久保、南野と縦パスをつないだあと、GKと1対1になった南野が相手ボックス内でファールをもらい、日本がPKを獲得してこれを決めた。

「後半は選手の地力の差が出てしまい、自分たちのミスから失点してしまった」と言うクリスチャンセン監督の試合後のコメントどおり、そこからはパナマが空けたスペースを日本が自由に使ってゲームを支配。77分のGKルイス・メヒアの退場劇も、起こるべくして起こったと言うべきだろう。

 もちろん日本にとっては、相手の隙を見逃さず、的確なポジショニングと精度の高いパスを前線に供給した遠藤の働きぶりが際立っていたのは間違いない。その高いパフォーマンスは、所属クラブでの充実ぶりを物語っていた。

 ただし、仮に橋本がそのまま後半も出場をつづけたとしても、後半のパナマの状況を考えると、橋本が同じようにスペースを見つけて縦パスを供給できていた可能性は十分にある。少なくとも、遠藤のプレーがすべての流れを変え、3バックが機能するようになったととらえると、今後の修正ポイントを見誤ってしまうことになるだろう。

 いずれにしても、後半は日本の攻撃スタッツが改善し、敵陣でのくさびの縦パスは4本(いずれも遠藤)、自陣から敵陣への縦パスが6本、自陣から相手DFラインの間や裏を狙った長めのフィードは12本を記録した。

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