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日本代表選手の意識は2000年
アジアカップ優勝後に大きく変わった (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・構成 text by Asada Masaki

 それでも明神は、「イナ(稲本潤一)が決勝に(累積警告で)出られないので、自分がボランチに入るかもしれないっていうイメージは持ちながら練習していました。だから、すんなり入れましたね」。

 とはいえ、試合に関しては「本当に苦しかった」。少しばかり表情をこわばらせ、明神が振り返る。

「初戦とは違うチームっていうのは、もちろんわかっていましたし、そのうえ、決勝戦だったので、点差が開くことはないと覚悟はしていましたが、それでもサウジは強かった。危ないシーンはいっぱいありました」

 試合開始から10分と経たず、サウジにPKを与えてしまったことを除けば、前半の内容はそれほど悪いものではなかった。

 PKは、DFの森岡隆三とGKの川口能活のちょっとした呼吸の乱れが引き起こしたものだったが、幸いにして、これは相手が外してくれた。

2000年アジアカップ決勝で、会心の一撃を決めた望月重良。photo by Getty Images2000年アジアカップ決勝で、会心の一撃を決めた望月重良。photo by Getty Images すると、日本は前半のうちに先制。今度もまた、中村俊輔のFKから、である。

 30分、左サイドで得たFKから中村が鋭く腰をひねりながら蹴ったボールは、きれいな弧を描き、ファーサイドへ。そこへ大外からフリーで走り込み、右足を合わせたのは、右ウイングバックで起用されていた望月重良だった。

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