本田、香川、岡崎らがいても3連敗。
西川周作が北京五輪での未熟さを語る (4ページ目)
「世界大会では初戦が大事だというのはわかっていたので、初戦を落としたことはすごく痛かったです。勝ち点1でも取ることを考えて、戦えればよかったなと思いましたね。初戦に向けて、コンディションだけではなく、メンタルも整えて自分たちの力を出す、ということの難しさをすごく感じました」
初戦を落として追い込まれたが、選手たちが意気消沈することはなかったという。それから2年後、日本の"エース"となる男がチームを鼓舞し、引っ張っていたからだ。
「あのチームには、ウッチー(内田篤人)もいたし、(香川)真司もいたし、キャプテンは水本(裕貴)がやっていたけど、みんなから一目置かれる存在だったのは、(本田)圭佑だった。選手から何か要望があれば、圭佑がソリさんに言ってくれたし、ソリさんの圭佑への信頼も厚かった。圭佑が声を出して、チームを引っ張っていく存在でしたね」
本田の鼓舞によって、選手たちも気持ちを切り替えた。次のナイジェリア戦、そして最終戦のオランダ戦へ向けて、改めてチームは奮い立った。そんなチームの雰囲気から、西川も残り2試合を勝って「グループリーグを突破する」という気持ちになっていた。
だが、五輪は甘くなかった。
「ナイジェリア戦は、(自分たちに)絶対に勝たなければいけないというプレッシャーがあったし、(グループ内で)『一番強い相手』と言われていたこともあって、試合の入りがちょっと硬かった。(後半に入って)0-2とリードされて、そこからはもう割り切って戦っていました。2点差でも、3点差でも、負けたら同じなので、『失うものはない』という気持ちで攻めたんですが......。1点返すのが精一杯で、力の差を感じましたね。
(ナイジェリアは)チームの組織力はそれほどではないけど、個の身体能力が自分たちとはまったく違うので。仕掛けていって『イケる』と思っても、スッと足が出てきて止められたり、逆にたったひとりに打開されてしまったり......。(ナイジェリアの選手は)なんか、ひとりで二役できるみたいな感じだった。『こいつら、違うな。強いな』と思いました」
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