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U-20代表は、11年前の香川真司を教訓に
久保建英を招集すべきだった (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐藤博之●撮影 photo by Sato Hiroyuki

 もちろん、不運もあった。

 グループリーグ最後のイタリア戦で、FW田川亨介、MF斉藤光毅が相次ぎ負傷。チームを離れ、帰国を余儀なくされた。大会前の時点で、MF安部裕葵、MF久保建英を登録メンバーに加えられなかったことを考えれば、攻撃における"金、銀、飛車、角"を失ったようなものかもしれない。

 それでも、エクアドル、イタリア、メキシコと強敵がそろったグループを2位で通過し、韓国戦でも敗れはしたが、攻勢に試合を進めることができた。

「泣きべそかいて記者の人や、他のみんなの前に出るのは、オレらのチームらしくない。何なら笑顔で出てやろうじゃないか」

 韓国戦後のロッカールームで、キャプテンの齊藤未月はそんなことを話したという。実際、取材エリアに現れた齊藤未のすがすがしい表情は印象的だった。

「別にここで負けたからって、サッカー人生が終わるわけじゃない。運がいいことに、これはU-20ワールドカップで、(その先に)五輪もA代表のワールドカップもあって、Jリーグもある。だから、そういう雰囲気を持って、ここに出てきたいなと思った。(今大会で)初めて負けたので落ち込むが、みんなも、負けた原因とか、次にどうつなげたらいいかをわかっている。もう落ち込まずに(気持ちを)切り替えるべきかなと思う」

 安部や久保がいなくても、やるじゃないか。大会前には、そんなことを思わせてほしいと、選手たちに期待していた。結果は、期待以上だったと言ってもいい。

期待以上の戦いを見せてU-20日本代表期待以上の戦いを見せてU-20日本代表 しかし、彼らがいい戦いを見せてくれたからこそ、さらにプラスアルファがあったら、すなわち、久保や安部がいたらどうなっていただろうか。その興味が頭の片隅から離れない。

 聞けば、A代表のトリニダード・トバゴ戦で、久保は試合出場はおろか、ベンチからも外れたという。その程度の扱いなら、今大会に出ていたほうが、どれだけ彼にとって有益だったか。大会前から同様の疑問を感じてはいたが、あらためてその思いを強くしている。

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