U-20日本代表のエースが久保建英に対抗心。「そこは俺でしょ」 (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki, AFLO

―― たしかに1年目の2017年シーズン、2ゴールを奪った浦和レッズ戦での活躍はすごかった。

田川 そうですね。あの頃は自分でも勢いがあったと思うんです。でも、その勢いが昨年は失われてしまったかなと。

―― 2年目の昨シーズンは、夏にフェルナンド・トーレス選手や金崎夢生選手が加わり、FWのポジション争いが一気に激しくなりましたよね。

田川 強烈なふたりが加わって、出場機会が減ってしまって。でも、チームの結果にかかわらず、試合に絡むチャンスがめぐって来なかったので、いい気持ちでサッカーに臨めなかったというか、モヤモヤしていましたね。

―― 正当なチーム内競争が行なわれていなかった?

田川 そうですね。ただ、それを言い訳にしていた部分もあったかなと。今はちゃんとした競争があって、そのうえで楽しくやれているので、すごくいい環境にいると思います。

―― プロ1年目が終わったあと、鳥栖で当時コンビを組んでいたビクトル・イバルボ選手からは「学ぶことが多い」と楽しそうに話していた。昨シーズン、難しい状況になったとはいえ、トーレス選手や金崎選手から学べるものもあったのでは?

田川 それは、もちろん。とくに夢生くんは前からプレッシャーをかけて、ガツガツ奪いにいく貪欲さがすごかった。自分もそういうタイプだったのに、2年目になってそうした貪欲さがなくなっていると感じていたところだったんです。夢生くんの姿を見て、その気持ちを思い出せたのは大きなプラスだったと思います。

―― 移籍するにあたって、誰かに相談は?

田川 いえ、まったく。代理人の方といろいろ話し合ったくらいですね。

―― 東京にはU-22、U-20日本代表のチームメイトも多いですが、彼らにも?

田川 まったくないです。それこそ、決まったあとにタケ(久保建英)とかから連絡が来たくらいですよ。自分からは、誰にも、何も言わなかったです。

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