現在会社員の「黄金世代」。
氏家英行の野望とチームメイトへの思い
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世界2位の快挙から20年......
今だから語る「黄金世代」の実態
第5回:氏家英行(後編)
1999年ワールドユース(現U-20W杯)・ナイジェリア大会、日本は準優勝に終わった。
決勝のスペイン戦で初先発初出場を果たした氏家英行。photo by Yanagawa Go 決勝のスペイン戦(0-4)、氏家英行は初出場初先発を果たしたが、チームの勝利に貢献することはできなかった。
「『あの時、こうしておけばよかった』と試合後に考えることができれば、しっかり判断してプレーしていたんだな、ということになる。でも(自分は)無我夢中でやっていたので、(試合後)何が課題で、何が足りないのか、ということがわからなかった。自分は"何もできなかった"ということしかなかったですね」
それでも、ワールドユースを終えて、当時所属の大宮アルディージャに戻って試合に出場した時、氏家は自分の中で小さな変化をいくつか感じられたという。
「大宮に戻ってきた時、相手チームにA代表の選手がいても、ビビらずにプレーできるようになりました。そうして、試合をこなしていくごとに、試合の流れをしっかりと読むとか、力任せではなく、自分で考えてプレーするとか、自らの課題が見えてきたんです」
その一方で、ワールドユースを戦った仲間たちは、2000年シドニー五輪出場に向けて動き出していた。高原直泰、稲本潤一らが五輪代表チームの主力になっていくなか、氏家もシドニー五輪は自らの視野に入れていた。
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