2006年ドイツW杯、中村俊輔が明かす「俺が輝けなかった」理由 (2ページ目)
中村は3試合にフル出場し、1得点に終わった。
「もっとできたような、でも限界だったような大会だった」
当時を思い出して、表情に苦いものが走る。
ドイツW杯、グループリーグ敗退に終わり、肩を落とす中村俊輔 なぜ、中村は輝けるはずの舞台で輝けなかったのだろうか。
初戦のオーストラリア戦は、衝撃的な逆転負けだった。
FKから中村が先制ゴールを決めたものの、勝利を目前にした試合終盤の後半39分に追いつかれた。うだるような暑さの中、オーストラリアに執拗にロングボールを蹴られて、守備に追われた日本はかなり疲弊していた。その結果、リードしている間は維持できていた気力や集中力も、同点にされた瞬間に完全に切れてしまった。わずか数分の間にトータル3ゴールも決められた。
試合後、中村はピッチでしばらく呆然としていた。
グループリーグの対戦相手からして、決勝トーナメントに駒を進めるためには、オーストラリアには絶対に勝たなければいけなかった。そういう相手に、しかも逆転で敗れたショックの大きさは、中村や他の選手の朦朧(もうろう)とした表情から読み取れた。
続くクロアチア戦でも、中村は"らしい"プレーは見せられなかった。結果が出ないなか、中田と中村の両エースに批判が集中した。
確かにドイツW杯での中村はその2年前、2004年アジアカップ優勝でMVPに輝いたときのような、"違い"を見せるプレーが少なかった。調子が上がらない中村は、日本が勝てない原因のひとつに挙げられた。
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