U-20日本代表、ベネズエラに苦杯も、
東京五輪への希望は膨らんだ (6ページ目)
時計の針を大会前に巻き戻せば、正直に言って、このチームに大きな期待はしていなかった。アジア最終予選(アジアU-19選手権)でも、攻撃では相手の守備ブロックの外でパスを回すばかりで、ボールが前へ進まない。また、守備では相手のスピードに振り切られ、簡単に裏を突かれることが少なくなかった。アジア王者になったとはいえ、その称号にふさわしい強さは感じられなかったからだ。
だが、そんなチームが、前線の大黒柱であるFW小川航基を負傷で欠くというアクシデントがありながらも、試合を重ねるごとに攻守にたくましさを増していった。期待値が低かった分、よく見えただけだと言われればそうかもしれないが、10年ぶりに本大会へ駒を進めたことも含め、及第点。よくやったというのが率直な印象である。
現在、20歳以下の日本代表を構成するこの世代には、3年後に東京五輪という大目標が控えている。今後、おそらく彼らには途切れることのない継続的な強化策が施されるだろう。その意味で言えば、自身が望むと望まざるとにかかわらず、厚遇を受ける彼らは特別な世代として、将来の日本サッカーを支える存在にならなければならない。
特別ゆえ、背負う責任は重い。だが、今大会の彼らは、その重責に耐えうるだけの資質があることを、自らのプレーで示したのではないかと思う。
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