U-20日本代表、ベネズエラに苦杯も、
東京五輪への希望は膨らんだ (3ページ目)
個人能力で日本に勝るベネズエラは、グループリーグでの戦いぶり以上に、「オレが、オレが」のサッカーになっていた。まったくと言っていいほど、周りが見えておらず、ダイレクトプレーの意識は皆無。ボールを持ったらひと息入れて、自分の間合いで仕掛ける。その一辺倒だった。
高い身体能力は脅威だったが、攻撃が単発では怖さも半減。つけ入るスキは十分にあった。それだけに、「自分たちの精度の低さが出た試合。ただただ無念というか、悔しさが残っている」(堂安)という結末だった。
これで、日本は2005年、2007年大会に続き、3大会連続で決勝トーナメント1回戦敗退。なかなか破れずにいる壁に、またしても行く手を阻まれたことになる。
とはいえ、グループリーグ3試合を含め、大会全体を通して見れば、よく戦った。そう評価していいのではないかと思う。
最初の南アフリカ戦の前半を終えたときには、この先、どうなることかと不安ばかりを感じさせられたチームが、最大目標であったグループリーグ突破に成功。決勝トーナメントでも、どちらに転ぶかわからない接戦を演じた。選手たちは試合をこなすごとに、世界レベルとの差を痛感しつつも、それを教訓に対応力を身につけていった。つまりは、成長していったのである。
その象徴的な存在と言えるのが、センターバックを務めた冨安だろう。
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