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長谷部誠と本田圭佑。タイ戦で
ハッキリ見えた日本の「修正ポイント」 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Nakanishi Yusuke/AFLO SPORTS

 拙攻の理由を自覚している様子ではない。野球で言うところの、チャンスで1本が出ず残塁の山を築く理由、非効率的サッカーに陥る理由が、見えていないのだ。

 そこに本田のポジショニングが深く関与していることは明白だ。加えて彼の体力的な衰えも見逃せない。強引なプレーに及んでも、かつてならなんとか解決する力があった。身体の力、一瞬の切れ、そしてパンチの効いたシュート力で、相手をねじ伏せることができた。

 それを遂行する力はもはやない。かつてと同様なプレーを試みるも、途中でやり遂げられずに終わる姿に、全盛期との違いが端的に見て取れる。90分を戦う持久力にも衰えが目立つ。後半なかばを過ぎると、動きは途端に鈍くなる。

 現在30歳、ロシアW杯本大会時には32歳になっているベテランだ。有能なベテランならば、それを頭脳的なプレーで解消しようとするものだが、本田の場合、目立つのはその真逆のプレーだ。

 競わせるべきもう1人の対象者である長谷部は、技術的に苦しくなっている。その昔、長谷部を中盤で起用する理由について質問を受けた時の代表監督、岡田サンはこう言ったものだ。「候補選手の中で、狭い局面でのボール扱いが一番巧いから」だ、と。それから10年は経っていないと思われるが、いま岡田サンが監督なら、同じ長谷部評を述べるだろうか。

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