J得点ランク1位。大久保嘉人のリオ五輪OA枠出場は現実的なのか? (3ページ目)
今回のOAにFIFAの拘束力はない。そのため、欧州のクラブは貸し出しに難色を示している。レスター・シティでプレミアリーグ優勝に貢献した岡崎慎司は、第一にOA選手としてリストアップされるべきだが、交渉の余地はないに等しい。欧州サッカー界は五輪サッカーを重視しておらず、所属選手を疲弊させるわけにいかない、という理屈なのである。
それは大久保の所属する川崎にしても同じだろう。クラブ史上初のJ1優勝に向け、絶好の機会を得ている。もし大久保がいなくなったら、単純に考えて得点力は激減する。チームとしては出し渋るのも無理はない。
そもそもの話、チームが離脱を許容するようなOA選手を18人という限られた五輪メンバーに加えるべきか、という矛盾もある。
手倉森誠監督が率いるU-23代表の選手たちはアジア予選をトップで勝ち抜き、一気に逞しさを増している。ケガ人が続出する中でも、熾烈なポジション争いを展開。直近のガーナ戦では橋本拳人、伊東幸敏、富樫敬真が戦力たり得ることを証明し、予選の主力メンバーを凌駕しつつある。“大会を勝ち抜けるか”、“経験を積めるか”という視点で考えると、U-23メンバーだけで戦う選択肢もあるだろう。
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