予選2戦を前に早くも予防線。ハリルホジッチ、今回の「言い訳」 (3ページ目)
しかし、あの試合に関して言えば、つなぎでミスを連発し、主導権を握れなかったことに根本的な敗因がある。あれだけ簡単にボールを失い、相手に押し込まれればDFも疲弊してくるし、失い方が悪ければ守備で後手に回り、不要なファールも多くなる。本来日本が目指すサッカーのベースとなるべき武器、すなわちボールポゼッションがうまくいかず、簡単にボールを失い続けたことで、日本の弱点ばかりが目立つ結果になったと考えるべきだ。
もちろん、サイズのあるセンターバックやFWがいるに越したことはない。そうした人材を探す、あるいは育てる努力を止めてはいけない。だとしても、それありきで考えるのは、現状の日本では効率が悪いし、現実的ではない。
思えば、2006年ドイツW杯で惨敗を喫し、当時の日本代表監督だったジーコは「フィジカルが足りなかった」と語った。4年もかかって得た結論がそれか、とガッカリさせられたものだが、そこから日本代表は「ないものねだりをするのではなく、いかに日本人選手の特性を生かして戦うか」を探った結果、ボールポゼッション重視へと傾いたのではなかったのか。
それが少しずつ結果となって表れてきていたのに、ブラジルW杯で味わった一度の惨敗をきっかけに、日本代表はこれまで歩んできた道を逆行しようとしている。
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