コスタリカに完勝も、日本のリオ五輪出場が危ういワケ (2ページ目)
後半に入ってチームが示したのは、コンセプトのひとつ「柔軟性」だった。相手が5-3-2のシステムに変更してくると、日本もMF矢島慎也(ファジアーノ岡山)を投入し、4-2-3-1から4-1-4-1へと布陣を変更。中盤で数的優位を作り、コスタリカの反撃を許さなかった。
その後も、選手を交代させるたびに、各選手のポジションが目まぐるしく変わったが、誰もがそのポジション変更に柔軟に対応していた。例えば、矢島はサイドハーフ、インサイドハーフ、ボランチ、野津田は左サイドハーフ、右サイドハーフ、トップ下と、3つのポジションでプレイ。それぞれ、そつなくこなした。
交代選手の質の高さも目立った。途中出場のMF喜田拓也(横浜F・マリノス)が球際の強さと3人目の動きでチームを活性化すれば、同じく途中出場のFW金森健志(アビスパ)は高い攻撃意識で前への推進力を生み出し、「ファーストタッチで前を向けたので、ゴールしか見ていなかった」と、ドリブル突破から豪快なシュートを突き刺した。
こうして2点のリードを奪った日本は終盤、3-4-2-1へとシステムを変更し、危なげなくゲームを終わらせた。「日本のほうが大半で上回っていた」と敵将が嘆いたように、まさしく完勝だった。
振り返ってみれば、このコスタリカ戦を迎えるにあたり、不安要素はたくさんあった。
昨年9月のアジア大会、準々決勝の韓国戦(0-1)を最後に、歯ごたえのある相手と戦っていなかったこと。アジア以外のチームと初めて戦うゲームだったこと。そして、今年3月のリオデジャネイロ五輪アジア1次予選を戦って以来、久しぶりの活動だったこと。
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