いよいよW杯。残り10日間でなでしこは完成する (3ページ目)
そんな中で、意外な起用をされたのが宇津木だ。ボランチではなく左サイドバックだった。彼女が初めてなでしこジャパンに招集された10年前に、期待されたポジションがここ。久しぶりにそのポジションに立った宇津木だったが、果敢にビルドアップを試み、攻撃に関わっていく。
決勝ゴールの場面では、一度目のクロスボールこそクリアされたが、拾った澤から戻されたボールを、DFのポジションのズレを突いてゴール前に提供、大儀見優季(ヴォルフスブルク)がDFの一歩先行くアウトサイドで決めた。まだまだ合わせるべき呼吸はあるが、このゲームにおいてのやるべき責は果たしたと言える。
全体的には、気を配っていたはずの前半にバタつきがあったが、徐々に改善はされつつある。なかなか絞り切れないでいた心臓部であるボランチは、ここへきてやはり澤&阪口コンビが一歩抜け出たのは確か。
ただ1ペアでは戦い切れない現実もある。ボランチが決まらなければ両サイドハーフのポジションも確定できず、最終ラインも含めて四方の間合いに微妙なズレが生じる。ローテーションという手段を選ぶなら、開幕までに澤&阪口コンビに続くペアを決め、少しでも周囲とのコンビネーションや間合いを練習で詰めておきたい。
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