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豊田陽平が驚いた「本田圭佑、内田篤人の変貌」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 松岡健三郎/アフロスポーツ●写真

 豊田は胸中を明かしたが、それはストライカーとしての本来的心理なのだろう。ゴールに満たされない。得点で自信を得た彼は、"もっと得点ができる"という欲求を抱くようになった。その渇望がストライカーにカタルシスを与える。

「本田の様子は、ザッケローニさんの頃とはまったく別人でしたね。それはびっくりしました」と彼は言う。

「すごく気さくになっていて、誰とでもコミュニケーションを取る感じでした。今回は会話のキャッチボールをすることができましたね。なんで変わったのか、は僕にも分かりません。ブラジルW杯での戦いを経験した上で、彼自身も変わらざるを得ないと思ったのかもしれません。だから今回の合宿で本田との距離が縮まったのは良かったですけど、別に彼とは恋人同士でもないので、距離が縮まってもどうなんだよ、というのはありますけどね」

 彼は冗談めかして言った。代表選手としての余裕が生まれたのだろう。その表情からは手応えも感じられる。「もう少し時間があれば連係を深められるのに」とアルベルト・ザッケローニ監督時代には口惜しさも味わっていた。

「(香川)真司に関しては、ザッケローニさんのときはパスのタイミングがずれることもありました。でも、彼とは試合後のコミュニケーションが必ずあって、『ごめん、見えていたんだけど』と、そこで調整もできていたので、心配していませんでしたね。(タイミングが合うのは)時間の問題だと自信を持っていました」

 豊田は本田とだけでなく、様々な選手とのコミュニケーションを深めている。

 続くオーストラリア戦(11月18日)も、後半32分に岡崎と交代で出場。前線からの強烈なプレスにより、オーストラリアの選手たちを激しく動揺させた。この日の見せ場は後半45分だった。敵陣でボールを奪うと、本田、香川とつなぎ、右サイドの酒井高徳からのクロスをファーポストで合わせた豊田はスタンディングでヘディングシュート。地面に叩き付けたシュートは、GKの好セーブに防がれた。

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