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【なでしこ】2年ぶりのアメリカ戦にドローも、大きな収穫あり (3ページ目)

  • 早草紀子●文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 そんな中でも、63分には宮間のスルーパスに大野が抜け出してゴールネットを揺らすシーンもあり、惜しくもオフサイドになったが、この展開には宮間も手応えを掴んだようだ。狙いはシュートカウンター。シュートブロックから速い攻撃を仕掛けて一気にゴール前へ運ぶ。精度の問題はあれど、アメリカに対して効果を見せた。今後、新たな武器として研ぎ澄ましていきたいオプションがアメリカとの一戦で形になったことは大きい。なかなかセカンドボールを奪えない苦しい展開にも大きな崩れがなくなったことは成長のひとつだ。

 とはいえ、サイドを存分に使われてピンチに陥る場面も多く、相手の素早いチェックから簡単にボールを失うこともしばしば。前日にヨーロッパ組が合流という準備状況でドローに持ち込んだことは評価に値するが、アメリカの力の前に、改めて現実を突きつけられたのも事実。指揮官は「アメリカの方がチャンスはあったし、引き分けにはなりましたが、判定負けですよね。現状では仕方のないこと。一人一人が上がってくれば大きな問題ではない」とし、選手の粘りを労(ねぎら)った。

 アメリカ戦というモチベーションの上がる試合で上尾野辺めぐみ、岩渕真奈、木龍七瀬、宇津木瑠美、高瀬愛実らを次々に送り込み、"世界"を経験させた佐々木監督。中一日という過密日程で対戦するはデンマーク。佐々木監督就任以降、3戦全勝と分がいい相手にどういった布陣を組むのか。トーナメントを勝ち抜くチーム体力も見極めたいとしている今大会。個々のプレーのみならず、確実に勝利を呼び寄せる有効なターンオーバーとすることができるかにも注目したい。

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