【なでしこ】2年ぶりのアメリカ戦にドローも、大きな収穫あり
3月5日、アルガルべカップが開幕した。なでしこジャパンはロンドンオリンピック以来、2年ぶりにアメリカと対戦し、1-1のドローでスタートを切った。
宮間あやのフリーキックが決まり喜ぶなでしこたち スコアこそ、互いに"最小失点の痛み分け"だが、内容はアメリカの力が際立つものだった。2012年までオーストラリアを率いたセルマーニ監督が就任して初めて対戦するアメリカはワンバックを温存。対する日本は、GKに国内合宿から好調をキープしていた山根恵里奈を抜擢。怪我で途中離脱した鮫島彩に代わり、左サイドバックに有吉佐織が入ったほかは、ロンドンオリンピックメンバーが名を連ねた。
前日の紅白戦では、サブメンバーに入っていた澤穂希もスタメンに返り咲き。阪口夢穂とのボランチコンビでお馴染みの手合わせとなったロイドとマッチアップした。「ロイドは身体も強いし、シュートもうまいし、自分たちの嫌がる裏の裏をかいてくるし、本当に世界トップクラスの選手」と、その強さを改めて痛感することになった。
強風が吹き荒れたキックオフ。アメリカと対戦する際、比較的前半にチャンスが生まれる傾向にある日本は、風上スタートで一気に攻撃を仕掛けたいところだった。しかし、開始早々にロイドからルルーのシュートにつながり、流れたところを再びロイドに押し込まれるというあわや失点かという場面はオフサイド。ご挨拶とばかりに好機を演出するアメリカ。日本も負けじと7分、澤のボールカットから宮間あやにつないで、大野忍がシュートを放てば、11分には阪口が強烈なミドルシュートを見舞う。
しかし、徐々にアメリカの展開力に拍車がかかり出す。脅かされ続ける日本ゴールからボールを掻き出したのは出場チャンスを掴んだ山根だった。ときにはパンチング、ときには足元で、次々にシュートを跳ね返していく。それを支えたのは粘りのある中盤・最終ラインの守備だった。そして、日本はなんとか前半を0-0で折り返す。
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