【五輪代表】宇佐美貴史が見せた「ジョーカー」以上のインパクト (3ページ目)
その後、エジプトに得点を奪われて、試合は2-3で敗戦。宇佐美は、「自分の得点は、勝利への可能性を残したゴールだった。追いついて、(攻撃の)リズムもつかめたし……。でも、その後の決定機を決め切れなかった。もっと自分たちでリズムを保ちながら、点を取られないようにしなくてはいけなかった」と、日本のグループリーグ敗退も決まって厳しい表情を浮べたが、出場した2戦で五輪代表でのブランクをまったく感じさせない、強烈なインパクトと結果を残した。
試合後に記者から、この日の活躍で「(試合に出られない)バイエルンでの鬱憤が晴れたか?」と問われ、「これくらいじゃあ、晴れない。ていうか、一生晴れないと思う」と笑いを誘った宇佐美。公式戦から遠のいていたことで、試合勘やゲーム体力が不安視されていたが、彼が見せたパフォーマンスはそれらを微塵も感じさせなかった。本人がたびたび口にしていたように、欧州のトップクラブに在籍し、練習から多くのものを吸収していることをうかがわせた。
「もっとできる。もっともっと自分のプレイを出していけると思う」
五輪メンバー選考の最終段階を迎えての代表復帰ではあるが、宇佐美はチームの「ジョーカー」どころか、一気に主役の座に躍り出た。
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