【五輪代表】宇佐美貴史が見せた「ジョーカー」以上のインパクト (2ページ目)
そして後半3分、宇佐美は指宿の逆転ゴールをアシスト。高木からのスルーパスを相手DFの間をすり抜けて受けると、完全に裏のスペースをついて一気にゴール前へと運んだ。GKと1対1で対峙してからフリーの指宿へとパスを送る、鮮やかなプレイだった。
「(自分でシュートを)打っても決まったかもしれないけれど、より確実なほうを選択しました。オレのゴール、ってことにしておいてください(笑)」
この試合で宇佐美は、海外に来てからの、自身の成長も感じてとっていた。本人が語るのは、後半38分、相手に左サイドを突破されそうになったシーンだ。それまでも、中盤とサイドバックと連係して守っていながら、オランダのルコキに再三突破されていたが、このときは、左サイドバックが抜かれたところを、宇佐美が猛ダッシュで戻って、ルコキの突破を食い止めた。
「あの時間になっても守備で戻れる体力は、この一年でついたものだと思う」
関塚ジャパンに久しぶりに戻ってきた宇佐美は、チームのための献身性をも見せる、大人の一面まで備えていた。
さらに圧巻だったのは、続くエジプト戦。0-2のビハインドから、自ら2ゴールを叩き込んだ。
1点目は後半開始直後の1分、右サイドで大津祐樹からのパスを受けると、ドリブルで持ち運んで、ペナルティーエリア外から思い切りよくシュート。低い弾道で勢いのあるボールがネットに突き刺さった。2点目は同8分、FKからのショートパスを受けた齋藤のクロスに飛び込み、混戦の中で同点ゴール押し込んだ。
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