【なでしこジャパン】
ベテラン・宮本ともみの存在感とレギュラーメンバーの危機意識

  • 早草紀子●取材・文 text by Hayakusa Noriko
  • photo by Hayakusa Noriko

和歌山合宿にはなでしこジャパンのほか、U-20、U-17代表となでしこチャレンジの選手も参加和歌山合宿にはなでしこジャパンのほか、U-20、U-17代表となでしこチャレンジの選手も参加 7月のロンドン五輪へ向け、新戦力発掘と強化のために2月10日~13日の日程で行なわれたなでしこジャパンの合宿。ここに、なでしこジャパンだけでなく予備軍である「なでしこチャレンジプロジェクト」メンバー、U-20代表、U-17代表も合わせて70名を越す女子選手が集結した。

 今回の合宿にはヨーロッパ各地に籍を置く欧州組は選出されていない。さらにケガにより、澤穂希、岩清水梓、田中明日菜らが外れ、なでしこジャパンメンバーはわずか12名の招集となった。

 そこで注目されたのが"なでしこチャレンジメンバー"である。若手の台頭として目を引いたのは早稲田大学の大滝麻未だ。172cmという長身FW。ユニバーシアード大会で得点王を獲得した活躍が認められ、フランスリーグの強豪・リヨンへの移籍が決定した。今回はその可能性を探るべく、チャレンジメンバーに選出。なでしこジャパンとの練習試合では、「自信になった」と本人も納得の裏への飛び出しからゴールを奪取し、猛アピールした。

 しかしチャレンジメンバーで、ひと際その存在感を示したのは、元代表選手で、なでしこジャパンに肉薄した33歳のベテラン・宮本ともみだった。

 宮本は澤らとともに一世代を築き、2004年のアテネ五輪ではボランチとして活躍。ベスト8の立役者となった。当時のなでしこジャパンでは唯一の既婚者であり、出産後に代表入りした際は、ベビーシッターとともに子ども同伴でスタジアム入りし、試合に出場したママさん選手の草分けだ。

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