【プロ野球】「ホームランしか考えていなかった」 内川聖一が振り返る日本シリーズ伝説の1打席 なぜ山﨑康晃の最高のボールを打てたのか (4ページ目)
「打ったあとだから何とでも言えるけど、ホームランを打てるという確信があったわけじゃない。自分のなかでの勝手なプラス思考、割りきりですよ。長いレギュラーシーズンの戦いだと、それまでの成績や前の対戦のイメージが入ってくるので、その1打席だけの勝負になれない部分もある。数字を落としていれば、『オレ、調子悪いな』とか、『なんか感じがおかしいな』とか。
でも、クライマックスシリーズや日本シリーズは、その1打席のなかで自分のベストをどう発揮できるか。そんなシンプルなところで考えられる。シーズンだと10回のうち3回ヒットを打てばすごいと言われる。けど、1打席に限定すれば打つか打たないか。表か裏かみたいなものだから、ならば打つ確率は『5割』じゃないですか」
打率という数字に縛られるのではなく、目の前の1打席にすべてを懸ける。その割りきりが、土壇場で内川の持つ技術と感覚を最大限に引き出したのだろう。
【死闘の果てにつかんだ栄冠】
そして、あの本塁打について、内川はこんな言葉を残している。
「このボールを、こんなふうに打てばホームランになりやすい。あの時、自分のなかでは見えていたんです。だから打った瞬間も別に驚かなかった。あ、やっぱりそうなったかって」
最高のボールを待ち、最高の技術で打ち返す。内川が追い求めてきた打撃の理想が、あの1打席には凝縮されていた。
そして試合は3対3の同点となり、延長戦へ突入する。ソフトバンクは9回から登板したデニス・サファテが、異例の3イニングにわたる熱投を披露。そして11回裏、ついに決着の時が訪れた。
川島慶三が右翼前へサヨナラ適時打。ソフトバンクが4勝2敗でシリーズを制し、日本一に輝いた。
じつはこの日、ソフトバンクは第1戦に先発した千賀滉大が登板する見込みだった。しかし、前日に背中の痛みを訴え、登板を回避。第7戦での登板も想定されていたが、万全の状態とは言いがたかった。
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