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【WBC 2026】侍ジャパン敗退の裏にあった「徹底した日本対策」 ベネズエラ指揮官が語った緻密なゲームプラン (4ページ目)

  • 阿佐智●文 text by Satoshi Asa

 ロペス監督曰く、「ナイフのように切れ味抜群」の状態だったデヘススは、期待どおり2回1/3を1安打に封じた。勝利投手となった彼のリリーフ起用は、プールD2戦目のイスラエル戦での先発登板後に決めたという。

「彼と話し合って決めたんだ。『準々決勝は日本か韓国との対戦になる』ってね。どちらのチームも左打者が多いからね」

 そのデヘススもまた、6回途中でマウンドから下げた。

「7回まで投げさせることもできたと思う。ただ、彼にはこの先もある。だから最大でも3イニング、50球までと決めていて、あそこで交代させた。もしその後の結果が悪ければ、批判されたかもしれない。でも、それが私の計画だったんだ。

 勝利へのルートは準備していた。6回の残りのアウトはブットにまかせ、そのあとセルパにつないだ。セルパは、7回の大谷のところで投げさせるつもりだった」

 7回1アウトからマウンドに上がったセルパは、大谷から見逃し三振を奪った。この2回のイニング途中での投手交代も、勝負を分けたポイントだったと言っていい。

【今日の勝利で突然強豪になったわけではない】

 一方の井端弘和監督は、イニングまたぎを嫌った。立ち上がりこそ不安定だったものの、回を追うごとに調子を取り戻し、3、4回には6つのアウトのうち4つを三振で奪った山本由伸を、まだ球数制限には達していなかったが、5回のマウンドには送らなかった。

 結果論ではあるが、この6回に飛び出した2ランでベネズエラ打線は勢いづいた。イニングまたぎも厭わず、打てる手をためらわず打ったロペス監督と井端監督の知恵比べは、ロペス監督に軍配が上がった。

 快進撃を続ける今大会のダークホース、イタリアのヴィニー・パスカンチーノ(ロイヤルズ)が、試合がまだ終わっていないにもかかわらず侍ジャパンの勝利と勘違いしていたことからもわかるように、ベネズエラのメンバーだけでなく、多くの野球関係者が日本をベネズエラよりも「格上」と見ていたのは間違いない。

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