【WBC】「イチロー発言」と「マウンド太極旗立て事件」 元韓国代表捕手が明かす第1回大会、日韓戦の真実 (2ページ目)
「他国の選手があのシーンを見た時は、とても失礼に見えたかもしれない......。マウンドの近くに太極旗が転がっていて、それでマウンドに立てたみたいだ。ほかのチームが見れば、『あいつは何をしているんだ?』と無礼に映ったと思う。でも、そういう意図はなかった。韓国では感動的なシーンだと捉えられた」
決して、意図して屈辱を与えようとしたわけではなかったという。数々の因縁が生まれた第1回WBCの日韓戦。それほど両国はライバル意識をむき出しにして戦ったということだ。
同じ大会で3試合対戦し、洪にとって日本代表で特に印象に残ったものは何だっただろうか。
「もちろんイチロー選手だ。バットの使い方が柔軟で、コンタクトの技術に優れている。日本のチャンスメーカーであり、打席に迎えるのは脅威だった。しかも、いろいろなことがあり、韓国に闘志むき出しで向かってきた。彼はすさまじかった」
韓国にイチローの恐怖が植えつけられたのは、試合前の打撃練習だったという。
「常に反対方向へ打ち返す姿を見て、『なんてえげつないバッティングをするんだ』と感じさせられた。スムーズな打撃動作でボールを捉えていくし、試合でも韓国の投手たちに完璧にコンタクトしてみせた。すばらしい打撃だったね」
【韓国が国際大会で勝てなくなった理由】
第1回WBCの準決勝で韓国に雪辱を果たした日本は、その勢いのまま初代王者に輝いた。3年後の2009年大会でも連覇を達成。さらに前回大会(2023年)では3度目の優勝を成し遂げている。
一方、韓国は国際舞台で苦しんでいる。WBCでは過去3回続けて1次ラウンドで敗退中だが、なぜ、思うように勝てなくなっているのだろうか。
「それは難しい質問だ......」
ため息をついた洪は、韓国球界の"構造問題"を口にした。
「以前、韓国の選手たちは日本やアメリカに挑戦して多くの経験を積み、それをほかの選手たちに共有し、国際大会での戦いに生かしていた。しかし、現在は韓国国内で高い年俸を得られるようになったため、海外に出て経験を積むのではなく、国内にとどまる選手が増えている。その結果、選手たちが現状に満足してしまい、実力の向上につながっていないように感じる」
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