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【WBC2026】なぜ井端監督は大谷翔平を1番に置いたのか 満塁弾が証明した「史上最強打線」の答え (3ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Daisuke Nakajima

 ワールドシリーズや日本シリーズという短期決戦では、本塁打や長打が勝敗の行方を大きく左右する。名古屋での強化試合の際、松田宣浩コーチも長打の重要性を話していた。

 では、WBCで連覇を狙う侍ジャパンはどう戦うべきか。井端監督の"理想"は、少々違うものだった。

「理想は、そういうふうには思ってないですよ、正直。勝てばいい。これが理想です。(3月5日の)オーストラリアと台湾戦、チェコと韓国戦、今日の試合(チェコ対オーストラリア)も見ていましたけど、やっぱり一発が得点源になるのは間違いないかなと思います。でも、それがすべてではない。取れる時に取るというのが、理想かなと思います」

 大谷を1番に据え、侍ジャパンは理想的な展開で初戦を制した。あらためて、「世界一の選手」を抱える心強さを日本中が確認する一戦となった。

 今回の侍ジャパンで、大谷はリーダーとしても機能している。優勝した前回、投手コーチを務めた吉井理人氏によると、チームの雰囲気をつくったのは大谷とラーズ・ヌートバー(カージナルス)だった。とくに大谷がコーチたちにふざけてタックルをするなどして、周りの選手たちは「こんな感じで接していいのか」と余計な力が抜けたという。

 当時から3年が経ち、大谷は31歳になった。年齢的にも上のほうになり、北山亘基(日本ハム)にセレブレーションを考えさせるなどしてチームをまとめ上げている。いじられ役のひとりでもある牧は、大谷の人間性についてこう話した。

「そこに翔平さんがいれば明るくなりますし、いろんな人を巻き込んでチームをいい方向に進めてくれるのも自然とできていると思います。そこに魅力があるのかなと思います」

 1番・大谷が流れを大きく引き寄せ、侍ジャパンは連覇に向けて最高のスタートを切った。

著者プロフィール

  • 木村公一

    木村公一 (きむらこういち)

    獨協大学卒業後、フリーのスポーツライターに。以後、新聞、雑誌に野球企画を中心に寄稿する一方、漫画原作などもてがける。韓国、台湾などのプロ野球もフォローし、WBCなどの国際大会ではスポーツ専門チャンネルでコメンテーターも務める。

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