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【WBC 2026】「グッドルーザー」の時代は終わった 投手16人の異例編成で侍ジャパンに挑む台湾代表の本気 (3ページ目)

  • 木村公一●文 text by Koichi Kimura

【侍ジャパン・井端監督との因縁】

 また、台湾と井端監督には因縁がある。

 今から13年前の第3回WBC。台湾は9回二死まで日本を追い詰めながら、そこから同点に追いつかれ、延長で敗れた苦い経験がある。その9回二死から、起死回生の同点タイムリーを放ったのが、現在、侍ジャパンの指揮を執る井端監督である。

 あの"夜の記憶"は、ドキュメンタリー映画となり、選手たちのモチベーションを上げるアイテムとなっていた。

 だが、時代は変わった。前出のCPBL関係者は言う。

「今の台湾の若い選手たちは、日本にやられ続けてきたという感覚は持っていません。大谷フィーバーや山本由伸のすごさは、毎日のメジャー中継で知っていますが、戦う前からリスペクトしすぎて萎縮するという時代ではありません。日本戦は2位通過のために消耗しないという考え方もありますが、勝てるチャンスがあれば一気に食ってやろうと、選手たちは思っているはずです」

 ちなみに、2024年のプレミア12決勝で、井端監督率いる侍ジャパンは台湾に苦杯を舐めさせられた。

 かつて「グッドルーザー」と呼ばれた面影は、もはや台湾にはない。曾監督のもと、役割を明確化した攻撃陣と、質量ともに充実した投手陣が、野心を胸に東京へ乗り込む。2013年大会、日本を「あとひとり」まで追い詰めながら逃した悔恨を、今度こそ歓喜へと塗り替える準備は整っている。

著者プロフィール

  • 木村公一

    木村公一 (きむらこういち)

    獨協大学卒業後、フリーのスポーツライターに。以後、新聞、雑誌に野球企画を中心に寄稿する一方、漫画原作などもてがける。韓国、台湾などのプロ野球もフォローし、WBCなどの国際大会ではスポーツ専門チャンネルでコメンテーターも務める。

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