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【WBC】「世紀の誤審」「韓国との因縁」「キューバとの決勝」 渡辺俊介が明かす世界一までの知られざる物語 (4ページ目)

  • 水道博●文 text by Hiroshi Suido

── どんな感じだったのですか。

渡辺 選手たちの言葉や表情、雰囲気をイチローさんは敏感に感じ取って、選手だけを集めて「オレたちの野球のほうが、日本野球のほうが上だ。絶対に勝てる!」と喝を入れてくれたんです。実際、イチローさんはその試合で先頭打者ホームランを打ちました。

── 2023年WBCの大谷翔平選手の「憧れるのをやめましょう」と同じですね。

渡辺 イチローさんは言葉と結果で示してくれました。そのおかげで、みんなが「よし、いけるぞ! 本当にアメリカに勝って、世界一になれるんじゃないか」と強く思えるようになりました。

── しかし、岩村明憲選手(当時・ヤクルト)の犠飛で西岡剛選手(当時・ロッテ)が生還しましたが、球審のボブ・デービッドソンが「離塁が早かった」と判定をアウトに覆しました。

渡辺 あの出来事がなければ、日本はそのまま勝っていたかもしれません。でも逆に、あれでチームはひとつになりました。それに、あの審判はアメリカ対メキシコ戦でも、ロジャー・クレメンス(当時・アストロズ)が打たれた"本塁打"を二塁打に覆す判定をしたんです。その判定でメキシコ打線に火がつき、アメリカは逆転負け(笑)。

── 結果、日本とアメリカとメキシコが1勝2敗で並びましたが、失点率(総失点を守備イニング数で割った値)で日本が準決勝に進出。「アナハイムの奇跡」となったわけですね。

渡辺 第1回大会では手探りの部分もあったのでしょう。試合日程が急に変わったり、ああいう判定があったり......。だから、準決勝進出と正式に告げられるまで、みんな疑心暗鬼でしたね。

【夢のようなWBC初代王者】

── 準決勝の相手は、この大会3度目となる韓国でした。福留孝介選手(当時・中日)が0対0の7回に代打決勝2ランを放つなど、6対0で勝利しました。

渡辺 あの試合は先発した上原さんの投球テンポがよくて、完璧でした。福留の2ランですが、王監督の勝負勘はすごかったですね。

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