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阪神・佐藤輝明は左打者不利の甲子園でなぜ40本塁打も打てたのか T−岡田が技術的視点で読み解く「覚醒の真相」 (2ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro

── 手が早いメリットはどこにありますか。

岡田 たとえば、ピッチャーの投げたボールが近づいてくるなかで、「真っすぐだ」と思えば、その時点で反応できる。僕も調子がいい時はそれができたのですが、基本はできなかった。手を意識しすぎると、体が先に行ってしまい、突っ込んでしまうこともありました。僕のなかでいいバッターの多くは、手が早いというイメージがあります。

── 佐藤選手もその特徴があると?

岡田 ありますね。あと、手といえば、佐藤選手は打ったあとに左手をバットから離しますよね。これも僕はできなかったし、正直、なぜ手が離れるのかわからなかった。そういえば、(吉田)正尚も左手を離しますよね。泳がされて、ボールを拾いながら打つ時に手が離れるのはわかるんですけど、完璧なホームランを打った時に離れるというのは、いまだによくわからないです。

【多種多様なスイング】

── 佐藤選手のバッティングを見て、ほかに気づいたことはありますか。

岡田 スタンスが狭いということです。構えた時というより、ステップして足を踏み出したあとのスタンスが狭い。構えからほとんど広がらない印象があります。ラオウ(杉本裕太郎/オリックス)もそうなんですけど、なぜそれであれだけのパワーが出せるのか不思議なんです。

 ステップ幅が広いと、インパクトの瞬間に体重をボールにぶつけて飛ばせる感覚はわかるんです。僕がそうでしたから。でも、スタンス幅が狭いまま飛ばせる理屈がどうしてもわからない。ラオウの打撃練習を見ていると、ステップ幅は構えた位置とほぼ変わらないのに、それでも簡単に飛ばしますからね。

── 佐藤選手は足の上げ方も小さくなっていました。

岡田 すべての動きから無駄が削ぎ落とされていった、ということなのでしょうね。たしかに、バットの上げ幅も小さい。構えも動きも全体的にシンプルになっていくなかで、打てるボールを確実にとらえる確率が高まったということだと思います。

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