【プロ野球】点が取れない中日打線の課題を今中慎二が指摘 チャンスの場面で「自分たちがピンチを背負った感じになっている」 (2ページ目)
【相手投手をラクにしている】
――打つべきではないボールを見逃すだけで有利になる?
今中 ピンチの場面で投手が投げるのは、高めの速いボール球か、低めに落とす変化球が多い。そういったボールを振るか振らないかで、バッターの有利・不利がまったく変わってきます。
今の中日の野手陣は、そういうボールを振ってしまうんです。相手にストライク先行のカウントを作らせないようにすれば、バッターはゆとりができます。一方で阪神の各バッターは、低めのボールは振りません。見逃せるから投手は苦しくなり、ストライクゾーンにボールがくる。それを仕留めて打率を上げていますよね。
――打席に入る前の心構えの問題でしょうか。
今中 そういうものがわかっていないならば、伝えてあげないといけません。ただ漠然と積極的に打って、「積極的にいきました」と言って片付けられる問題ではないです。「あのボールを狙っていました」とか、何かしらあるだろうと。
中日に限った話ではありませんが、どのチームのバッターも「積極的」と口にすることがやたらと多いんです。積極的にいって結果が出る時は、ポンポン点が入っている時。入らない時は相手がどんどん攻め込んでくるので、あっさり終わってしまうんです。
今の先発ピッチャーは、役割として6回くらいをまかされることが多い。それなのに、打者側が序盤から積極的にいってしまうと、相手の先発が5回で50球前後しか投げていないこともある。積極的にいってもいい場面や、選手によって積極的でもいいバッターもいます。でも、みんなが積極的にいったら、相手の先発はラクですよ。
――全員が積極的に打ちにいき、あっさり攻撃が終わってしまうケースが多かったですか?
今中 そういうケースがかなり多いです。特に1、2年目の投手に抑えられる時って球数が少ないんですよね。6回くらいまでスイスイ投げられて、そのあとにリリーフに託されると、もう点が入らない。今の野球は、球数を投げさせれば早くマウンドを降りてくれる、ということも頭に入れないといけません。
苦手としている東克樹(DeNA)に対する場合などは、粘って粘って5回で100球を投げさせればいいんです。そうして、あとのピッチャーから点を取ればいい。打てないからといって、狙い球でもないストライクゾーンにきたボールを打って凡打を重ねれば、8回100球くらいのペースで投げられてしまいますよ。
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