【日本シリーズ】阪神・坂本誠志郎「いい試合ではダメ」 山川穂高の被弾の裏にあったスライダー対策の難しさ (3ページ目)
今季、調子の上がらなかったかつての主砲を蘇らせ、さらにスライダーを本塁打にされてしまった。この事実が、今回のシリーズにどのような影響を及ぼすのかは、ひとつのポイントになるかもしれない。
シリーズは短いようで長いと言われるように、まだ対戦はつづく。この日は、山川のあとの打者をきっちり抑えたことは収穫だった。だが、"山川対策"への課題は残っている。
ソフトバンクは、左打者偏重打線だ。シリーズ第1戦では山川がスタメンを外れ、1番から6番までが左打者だった。第2戦で山川が6番に入ったことで偏りはやや緩和されたが、裏を返せば「山川をどう抑えるか」が、ソフトバンク打線を抑えるうえで重要なポイントになる。
今日の阪神の先発は、左腕の高橋遥人と発表されている。阪神バッテリーからすれば、当然マークすべき打者は山川である。坂本の言葉にあったように、その対策がどう練られるか注目だ。
坂本は前向きにこう話す。
「ピッチャー陣が頑張ってくれて、今日はお互い粘りながら......という試合だったと思いますけど、こっちもチャンスがないわけじゃない。なんとか、みんなでものにしていきたい。(勝てば)甲子園の盛り上がりも変わってくると思うし、まだひとつ負け越しただけなので、悲観することもないですし、いい材料もいっぱいある。明日勝って、5戦目にいい形で勝負できるように頑張りたいと思います」
"山川封じ"をひとつの反撃の起点に、再び流れを呼び込むことはできるだろうか。
著者プロフィール
氏原英明 (うじはら・ひであき)
1977年生まれ。大学を卒業後に地方新聞社勤務を経て2003年に独立。高校野球からプロ野球メジャーリーグまでを取材。取材した選手の成長を追い、日本の育成について考察。著書に『甲子園という病』(新潮新書)『アスリートたちの限界突破』(青志社)がある。音声アプリVoicyのパーソナリティ(https://voicy.jp/channel/2266/657968)をつとめ、パ・リーグ応援マガジン『PLジャーナル限界突パ』(https://www7.targma.jp/genkaitoppa/)を発行している
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