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【プロ野球】「あの時、大学に行っていたら...」 西武・菅井信也が4年越しに語る育成でプロ入りした理由 (3ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke

 そんな自分をどうコントロールするか。その課題に向き合ううえで、大きな出会いがあった。入団1年目にはチームメイトとして、そして2年目以降はコーチとして支えてくれた内海哲也(現・巨人投手コーチ)の存在である。

「自分の状態がよくない時も、内海さんは話をいろいろ聞いてくれました。そういう際の対処法というか、心の持ち方を教えてくれて。僕は感情を表に出すタイプではないので、『出したほうがいいよ』と。それは自分からしたら新しい発想で、たしかにそうだなと思って取り入れるようにしました」

 菅井は自他ともに認める、頑固な性格だ。自分を強く持っているが、他人の声に耳を傾けにくいという気質もある。そこにうまく入ってきてくれたのが、21歳上の内海コーチだった。

「練習にいろいろつき合ってもらいながら、僕が自分の意見を言ったり、内海さんの意見も聞いたりしました。そういうやりとりを繰り返したことで、内海さんのアドバイスをうまく受け入れられたのかなと思っています」

【大卒の人には負けたくない】

 同期で同学年の羽田慎之介、黒田将矢と切磋琢磨し、2024年6月には彼らと同じ支配下に昇格。そして同年7月15日のオリックス戦で先発し、ふたりよりも先にプロ初勝利を飾った。

 入団4年目の春季キャンプを前に、掲げた目標は開幕ローテーション入りだ。そのために目指した球速アップは果たせなかったが、変化球でカウントをとれるようになり、スライダーの曲がりを大きくすることもできた。昨年からバイオメカニクス担当の武隈祥太氏に教わり、感覚的にしっくりくるようになってきたことが大きい。

 今年定期的に先発マウンドに立つようになり、初めて感じていることがある。プロで生き抜く大変さだ。

「一軍は中6日で回ることがふつうじゃないですか。ファームだと雨で試合が流れて、登板がなくなることもありました。やっと今年中6日で回るようになり、体調管理のやり方を学んでいるところです。また新しいところにきたかな、という感じはありますね。1年間投げていくタフさは、もうちょっとほしいと思っています」

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